雪降る大晦日

大晦日です。

あと数時間で新年です。

今年は、自分にとって、本当に濃い1年間でした。

1年で、3年くらい生きたような気分です(笑)

お世話になった方とのご縁に感謝です!

来年も、楽しみながら、力をつけていきたいと思います。もっともっと地に足をしっかりとつけていけるように、自分に出来ることを淡々と毎日やっていきたいものです。

雪が降りました。

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畑も雪化粧です。

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これでまた野菜が肉厚になり、甘くなります。

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なんだか好きな光景です。

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元旦も降るようです。

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ハウスが雪の重みで潰れないように、竹のつっかえ棒を立てました。元旦の朝に目がさめたらハウスが潰れていた、というのでは笑うに笑えません(笑)

どうぞ皆様よいお年をお迎えくださいませ!

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2007年12月31日 田畑 トラックバック:0 コメント:0

ハウスの様子

阿蘇では暖かい日が続いております。
どうやら今年も暖冬のごたるね、とみんな口にしだしました。
正月には寒波が来そうです。どうなるでしょうかね。

ハウスの中の菜っ葉の様子です。

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保温用の資材(光も水も通す布)をかけたりはずしたりしています。べた掛けにしたり、ポールの上にかけてみたり、いろいろ試しています。

サラダ菜。

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水菜。

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ハウスの中でぬくぬくと育っているので、それらしい顔つきです。出荷前には、少し寒くして鍛えてあげないと美味しくはなりません。

街に配達に行ったついでに、出荷に使うダンボールを集めてきました。

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大きなスーパーから出るものから、綺麗で丈夫なものを選んで頂いてきます。買えば中古のものでひと箱50円です。今日は、30分位かけて60箱ほど集めてきました。街に行ったついでの仕事ですので、単純に純利益となります。なので時給にすると6000円の仕事です。これなら割にあいます。

百姓の労働費、人件費はただだ、とよく言われます。すごく納得もできます。でも、それではいかん、という気もします。自分の仕事の時給換算は、意識してやっていきたいものです。

ちなみに僕にとって、畑の仕事自体は、趣味だけど仕事、仕事だけど趣味、でもやっぱり仕事、というような不思議なものです。自分の意識としては時給0円です。

収穫、調整、箱詰め、発送は、そして発送に付随する事務仕事は、仕事と思ってやってます。収穫~発送仕事の時給は、今の時期だと2000円位でしょうか。でもそこから経費がマイナスになりますから、実際にはもっと低いなあ。

さて、お金にならない仕事の意味深さ、面白さもまた忘れないようにしたいものです。

柿酢を仕込みました。

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作り方を調べると、例によって十人十色です。いちばん簡単な方法で「とりあえず」やってみました。皮を拭いて、へたをとって、入れるだけです。数ヶ月後には、皮についている酵母菌の力で発酵がすすみ、酢ができあがる予定です。

自家用の加工品なので1円にもなりませんが(笑)、こういう仕事はすごく大切にしていきたいです。

2007年12月27日 田畑 トラックバック:0 コメント:1

本の紹介

突然ですが、本の紹介です。

僕は、人は好きです。

でも、どちらかというと人は苦手です。

典型的な、内向的性格をもつ日本人です。

アメリカ的な、いきなりフレンドリー、というのは申し訳ない気がしますがちょっと苦手(笑)

頭の回転が速くないので、たまにリズムの速い会話にちょっとついていけないなあ、ということもあります(苦笑)

だいたい、人と話していると、何処かで緊張している自分を感じることが多いです。人見知りがとれるまでにものすごく時間がかかる。そういうことに悩んだ時期も長かったですが、今はそんな自分も認められ、けっこう自分大好きです。

長所は短所、短所は長所。

人は苦手なのですが、人には凄く凄く関心があります。

この人は、本音の部分で何を考えているのだろうか。この人のはこんなところを気にするんだな。この人にはこんな一面があるんだ。口にはださないけどこの人は実はこのことを悩んでいるのだったのか。(と後から気付いて軽い自己嫌悪になることが多い(苦笑))などなど。

何気ない言葉のやり取りがすごく嬉しく感じることもあります。些細な心配りに、たとえようのない感謝を覚えることもあります。幸せすぎる自分が申し訳なくなることもごくたまにあります。

人の何が面白いかというと、何につけ、本気であればそれだけで面白いし、好きです。素の心。一生懸命な心。心の中に、卑屈さや惨めさや、ねたみなどを抱えながらも、出来る限り綺麗でありたいと思って自分の中でせめぎあうような心。その一生懸命さ、そして滑稽さ。

例えば、人から見たら理解できないような些細なコンプレックス。些細すぎてなかなか人にいえないようなもの。それが、ちょっとした挙動の癖に現れる。その背景にある、その人物の生い立ちや背景。どうやってその人が自分自身と折り合いをつけて生きてきたか。

あるいは、努力や才能とは全く無関係に降りかかる人生の理不尽。どんなに努力しても叶わないことも多いし、ものすごく運に恵まれて生き抜ける人もいる。何かの拍子にあした自分が殺されるかも知れないし、場合によっては殺してしまうかもしれない。そんな状況に自分が置かれるとしたら。

僕は小心者なので、なかなか人とそんな込み入った話はできません。少なくとも、そんな間柄になるのには、時間がものすごくかかります。そして何よりも、親しい間柄であっても、いちいち過去の話のひとつひとつや、くだらない悩みを口にしない関係というのもそれはそれですごくすごく心地よいし、好きです。どんなに親しくても、絶対に適切な距離をおくべきだとも思います。でなければその人のいやなとこばかり見えてしまう。なので、言葉ではなく、ちょっとした心配りで相手の方の背負ってきた苦労が垣間見えたりする時には、たとえようのないような思いを覚えます。そんなときは、いちいち聞いたりしないで、想像してみます。その方の思いを。そんな時間もまた好きです。

上原隆さんというノンフィクションライターがいます。

日本のボブ・グリーンと呼ばれている方です。

上原さんが、いろんな人にインタビューをして、コラムに仕立て上げていきます。誰もが持つ、その人だけの、物語。それは、原石のようなものだと思います。絶対、誰にでもある些細な思い出やコンプレックスや喜び。そして突として降りかかる理不尽や不運に対しても気高く保たれる自尊心。

上原さんの文章で磨き上げられた原石は、宝石のような物語となります。しかも、ただまばゆく輝くだけの宝石ではなく、時として地味に、渋く、見るものをほっとさせるような輝きです。

タイトルからして渋いです。(リンクしてます)

友が皆我よりえらく見える日は

喜びは悲しみの後に

合わない人には合わないでしょうし、「うわっ、暗い!」と感じる方も多いかと思います。

でも、僕は上原さんの文章が、大好きです。

人から本を薦められて読んだとき、昔の僕は、薦めてくれた人に遠慮して、あんまり面白くなくても「まあまあだった」などとお茶を濁したりしていました。

それでは何も始まらない。

「面白くなかった」「なんでだよ」あるいは「面白かった」「そうだろ、どこが?」というところから、始まっていくものですよね。そういう、当たり前のことを、凄く大切にしたいと思っています。



2007年12月22日 トラックバック:0 コメント:2

なんだか忙しい

今日は冬至です。

寒さはこれから厳しくなっていきますが、明日からは日が長くなります。心なしか嬉しいです。

なんだか凄く忙しいです。

年賀状の用意、地主さんやお世話になった方への挨拶、近所の方がされている薪ストーブ設置仕事のお手伝い、夏の畑の片付け、出荷作業、溜まりに溜まっている事務仕事、納屋や家の整理、etc・・・。

そして、農閑期的な心のリフレッシュも重要なので、あちこちいろんな場所に顔を出しています。人の輪が広がる喜びを強く感じています。いろんな人に接していく中でも、自分がぶれないで、自分の立ち位置をわきまえて人と接することが出来ることを嬉しく思っています。百姓生活のおかげです。感謝!です。

優先順位をしっかりときめて、やるべき仕事だけしっかりと年内に終わらせて、いい気持ちで年を越せれば、と感じております。

今日は、お世話になっている近所のP農場の中にある、O幼稚園のクリスマス会にお邪魔しました。サンタさんをやりました。「サンタさん若いねー」とかなり突っ込みがはいりました(笑)
一昨年は当時はやったレザーラモンの仮装を請われてやりました。ここ数年、年末は仮装をお願いされてしまいます。なんでだろ(笑)

南阿蘇村の、僕の周りの友人知人の間ではベビーラッシュです。少子化なんてどこ吹く風です。日本の未来は明るい、と感じます。

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イロハモミジの実です。

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プロペラのように風にまって落ちていきます。少しでも遠くに飛んでいけるように、こんな形になったのですね。生きものの知恵にはいつも感心してしまいます。

東京時代の友人Kさんから、ブリが送られてきました。

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さばき方が良く分からなかったけど、やってみたらそれなりにうまくいきました。面白かったあ!
ひとりでは食べきれないので、ご近所さんへ配りました。
お金ではなく、物と物がぐるぐる回って、豊かな生活が形作られていく。ありがたいですね。

ちなみに送り主の友人Kさんは、魚の運動生理学の研究者です。いろんな学問があるものですね。学問を通して、水産業の現場に少しでも貢献したいとのお考えです。南アルプスの全山縦走を正月休み2週間をかけて行う、猛者の中の猛者です。オヤジギャグが悪い癖ですが、人生の大先輩です。

2007年12月22日 日々の暮らし トラックバック:0 コメント:0

冬の仕事

朝の冷え込みは緩いですが、日中は寒い日が続いています。

世間ではびっくりするような事件が次々に起こります。
北風に吹かれながら畑に立ち、遠くのことを思いうかべる毎日でもあります。まずは、自分の足元から、暮らしから。自分ができることを、淡々とやるのみです。

冬の畑仕事をぼちぼちとやっています。
後の仕事がつかえているので本当は一気にやってしまいたいのですが、今の時期くらいはのんびりしないとね、と自分に言い聞かせてぼちぼちです。

麦が少し大きくなりました。このまま真冬を越して、春になったらぐんぐん大きくなります。

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麦踏みです。霜柱と一緒に浮き上がって根っこが痛まないように、踏んでおきます。

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子供の時に読んだ「はだしのゲン」で、家族で麦踏をする場面がありました。「踏まれて強くなる麦のようになれ」とお父さんが子供達に言っていました。深い言葉ですね。

大豆の収穫です。

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根っこに瘤がついています。

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豆科の植物に多くつく根粒菌という菌が作っている瘤です。根粒菌は空気中(土中)の窒素を固定して、その窒素をアミノ酸という形で豆が利用します。代わりに、根粒菌は光合成で作られたデンプンや糖をもらいます。見事な共生!

結果として、豆科植物は肥料が少ないところでもしっかりと実り、その実である豆はたんぱく質を多く含みます。そして、土地も肥えます。

とりあえずトマトハウスに運び込みました。もう少し乾かして、暇なときに脱穀、選別します。

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カメムシに汁を吸われてきれいな豆は少ないだろう、と思っていたのですが、そんなことはなさそうです。脱穀が楽しみ!

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忙しいと、ついつい自家用の野菜作りや加工品作りは後手後手になってしまいます。販売用優先になってしまいます。
でも、味噌作りだけは冬の間に絶対やろう、と思ってます。

できることから、足元から。「まずは」自分の暮らしを「豊か」で「楽しい」ものにする。まずは、そこからですね!




2007年12月18日 田畑 トラックバック:0 コメント:0

シーズンオフ

雨が上がり、本格的に冷え込むかと思っていたのですが、少し足踏み状態です。

雲が残り放射冷却が弱いのでしょう、朝はやや暖かです。しかし日中はお日様がささずに北風が吹き、最高気温で6度前後の日が続いています。まだまだ寒くなると思うので、今から寒い寒いとはいってられないですね。

子供の頃から、ひとつ不思議に思っていたことがありました。

プロ野球選手や、他のスポーツ選手は、長いシーズンの終わりに「オフ」を過ごします。体を休めたり、気持ちをリフレッシュさせたりしす。そして、年が明けて日も長くなろうかという頃に、自主トレ開始、キャンプ始動、というニュースが聞こえてきます。

なぜ、そんなに長く休むのだろうか。休みの間もトレーニングしてこそ来年いい成績を残せるのではないだろうか。シーズン中は毎日試合ばかりで、じっくりと練習する時間もあんまりないだろうに。

と、ずっと思ってました。自分に直接関係のない著名人には、遠慮なく厳しい意見を言ってしまうものです(笑)

百姓として独立開業し、農繁期を終えて、ようやくそれなりにゆたっと出来るようになった今、よくわかりました。たしかにしっかり休まなくちゃ体がもたん!

おお、この生活はプロ野球選手と同じじゃないか、と。

農繁期という長いシーズンに備えて、疲労が蓄積した体を休め、気持ちをリフレッシュさせ、作付け計画を練り、意志の確認をしていく・・・。

プロ野球選手が自主トレで汗を流す頃には春野菜の育苗も始まり、オープン戦の頃には夏野菜の育苗や畑の準備で忙しくなってくる。そして、長いシーズンを迎える・・・。風邪を引くことも、腰を痛めることも、そのままダイレクトにわが身にのしかかる。健康管理が一番の基本。実力がつくことが喜びとなる・・・。

思えば思うほど、自分がプロ野球選手のように思えてきました。収入の差は凄いですが(笑)でも、そのくらいの気持ちでやらにゃやっとられん。やったるぞー。ちょっと自意識過剰かな(笑)

そんなこんなのシーズンオフを迎えております。やってしまいたい仕事はかなりたくさんあり、出荷仕事もたくさん頂いておりますので、なかなか本当にのんびり、という訳にはいきません。

でも、体の疲れを取る、ということの優先順位を高くしてしばらくは過ごそうかな、と思ってます。

という訳で昨日は、先日ご紹介した南阿蘇ビジターセンターに行き、
野鳥&自然観察会に参加です。

駐車場から、猫子岳が良く見えます。

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トチノキです。湿り気をこのみます。山地の沢沿いなどに自生します。この木の花からとった蜂蜜は、凄く美味しいらしいです。実はトチ餅に。東北地方では、昔は飢饉の年に備えて、トチの実を各家庭で大量に保存していたそうです。

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冬芽です。じっと春をまちます。

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シロダモが実をつけています。クスノキの仲間なので、いい香りがします。

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雑木林。手前の低くて細い木は、クロモジです。

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クロモジの冬芽。やはりクスノキ科なので、いい香りです。和菓子に添えられる高級爪楊枝の材として有名です。

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おなじみソメイヨシノです。

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この木はテングス病という病気にかかっています。短い枝が密生しているところが、天狗の巣というわけです。湿度が高いところでよくかかる病気だそうです。

グロテスクでごめんなさい!幹のうろには、ヨコヅナサシガメ(カメムシ)の幼虫が集団越冬してまいました。

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みんなで春を迎えられるといいね。

南阿蘇ビジターセンターでは、野草園という公園を併設しています。阿蘇地域で見られる多種多様な植物を、ぎゅっとコンパクトにまとめて観察できるようにした公園です。野鳥もたくさん来ます。ガイドの綺麗なお姉さんが丁寧にいろんなことを教えてくれます。

本物の自然ではないかもしれません。でも、このような場所を自分の「ホームグラウンド」としていければいいな、と思います。

こういう場所でしっかり勉強していけば、野生のフィールドで樹木や草やムシや風や雲が語りかける声がもっと聞こえるようになるだろうな、と思います。
その、大きな自然の一部として、農地が、畑が存在する、という認識を忘れないようにしたいものです。




2007年12月16日 樹木 トラックバック:0 コメント:0

片付け続行

ここ数日雨が降ったりやんだりです。

秋口からずっと雨不足だったので、なかなか嬉しいものです。

でも、日中は気温が上がらず、寒い!最高気温で10度に届かない毎日は、さすがに冬を実感します。

明日からは、雨を降らせた低気圧が東で発達し、西高東低の冬型気圧配置が強まりそうです。寒い!

今日は、空模様を見ながらの、夏の畑の片付けの続きをしました。

ナスやピーマン。晩秋まで頑張ってくれました。

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この、誘引紐とナスを結んでいるテープは、土の中で分解されるというものです。植物からつくられています。おそらくトウモロコシか、ジャガイモのデンプンからだと、思います。片付け作業が楽でありがたいです。

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またしても意地になって終わらせました。北風を受けながらの作業は疲れたー!居候Tに感謝です!

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使い終わったマルチは、来年再使用、という訳にはいかず、廃棄です。例によっていろいろと考えてしまいますが、まあ、よしとしておきます。乾かして、泥を落として、回収日を待ちます。

足元には、春を待つ草たちの顔が・・・。

ヒメジオン。

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ギシギシの仲間。

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春が来るまで、こんな感じで地面にべたっと張り付いて、葉っぱをめい一杯広げて冬を越します。太陽の熱を一番効率よく吸収するのが、この形なんですね。このような葉のつき方を、ロゼットといいます。

春になると、ロゼットの真中から茎を伸ばして、葉や花をつけていきます。それまでの間、じっと寒さに耐えて、ロゼットから受け止めた太陽エネルギーを、根っこに蓄える。

植物は力強いですね。
でも、ヒトにも、ロゼットの時期と、茎を伸ばす時期、花を咲かせる時期。いろいろありますよね。
その時、その時を、焦らずに、じっくりと、生きていきたいものですね。

2007年12月13日 田畑 トラックバック:0 コメント:0

読み飛ばしてくださいませ

冬も深まってきており、ブログのネタがなかなか少なくなってきた今日この頃です。

ですが、書くことがすっかり趣味になってしまったので、とりあえずパソコンの前に座ってしまいます。

凄く、凄くどうでもよいことも、少し書いてみようかと思います。

今まで遠慮しておりましたが、冬なのでご寛容を!
もちろん、ご随意に読み飛ばしてくださいませ。

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好きな言葉のひとつに、「我(われ)以外、皆我が師」というものがあります。

元は、吉川英治さんが、小説「宮本武蔵」の中で使った言葉らしいです。スピードスケートの清水宏保選手の座右の銘でもあるそうです。

人の長所や良い行いからも、何かしら学ぶ。そして、短所や悪い行いからも、何かしら学ぶ。自分なりに拡大解釈をすれば、草からも、木からも、鳥からも、森羅万象からも、学ぶ。


先日、立て続けに、考えさせられる体験をしました。

出荷準備でどたばたとしている朝、玄関から「おはようございます」という声。

顔を出してみると、年の頃30前後、僕と同年代と思われる女性が独り。化粧っ気のない顔、さっぱりとポニーテールにまとめた髪。肩には大きなショルダーバック。高校の体育の先生、といった服装と雰囲気でした。

なんの用件だろう、と思う間もないうちに、彼女はまくし立てるように
大きな声で話し掛けてきました。

いきなり、「お兄さんメガネが似合いますねー」と、親しげ、そしてなれなれしくもある言葉をかけてきて、ある国際協力系NGOのパンフレットと靴下を見せてくれました。
あまりの勢いに、僕は思わず身構えてしまいました。

用件を聞くと、彼女は東京に本部があるそのNGOの活動をサポートしていて、募金を募っているとのことでした。一軒一軒訪問し、靴下などのフェアトレード商品を購入してもらう、という形をとっていました。

僕が、「ああ、この人は、こういう活動をしてるんだあ、ふーん」と理解する間もないうちに、「精一杯の気持ちで結構ですから、お願いします」と頭を深々と下げてきました。

あまりに強引で、あっけにとられてしまい、困ってしまいました。

以前、僕も同じような活動をしているNGOで住み込みボランティアをしていたこともあり、いろいろ考えてしまいました。

資金繰り大変なんだろうなあ、ちゃんと活動しているところなのか?
この人はやっぱりどこかの国の惨状に心を痛めて献身的にこういう活動をしているのか?
でももう少し普通にやんわりと自己紹介から出来ないものなのか?
この鬼気迫る雰囲気は、なんだか辛い過去の賜物なのか?
はたまた実はすごいノルマがあるのか?

などと、空想を膨らませてしまうのが僕の悪い癖です。

結局、しばらく待ってもらって、彼女の支援しているNGOのホームページも拝見して、信頼できる組織だと納得した上で、出来る限りのささやかな寄付をしました。

せっかくいい活動をしているのだから、もう少しこちらの立場にたって、挨拶なり説明なりをしてくれれば良かったのになあ。もったいないなあ。これじゃあ善意の押し売りだなあ。

と、感じてしまいました。もったいない!

さらに、別の日の出来事。

某環境保護団体が編集した冊子を注文しました。某所環境アセスメントを平易に説明したパンフレットです。

数日後に郵送されてきました。愕然としました。
宛名が、ものすごい殴り書きで書かれていました。この字はないだろう、と瞬時に思ってしまうような字でした。
上手でない字でも、気持ちが伝わる字だったらよかったのに、と思いました。仮に、活動を支援しようか、と考えている人が目にしたときに、げんなりするような字でした。

また空想の始まりです。

発送作業も、相当人手が足りないんだろうなあ。
手弁当で献身的にされているんだろうなあ。
ひょっとしたら担当者の身内の子供がアルバイトとしてやってるのかなあ。
いや、実は手が不自由な方が必死に書いている字なのかもしれない。
だとしたらこんな不埒なことを考えている僕はばか者だ。
でも、適材適所で他にも人はいないことはないだろう。
うーん、こんなこといちいち考える僕はちょっとおかしいのではないだろうか。
でも、やっぱりこれはあまりにもひどいよなあ。
そしてこんなことをブログに書いて、喧嘩うってるみたいだよなあ。
大丈夫かなあ。僕は小心者だからなあ。
でもまあいっか。気にしない気にしない。なんとかなる。などなど。

結論。またしても思ったこと。せっかくの活動が、もったいない。気持ちがまったく伝わらない。うーん、もったいない!


なぜ、ここまでNGOの女性と、封筒の宛名の件が気になってしまったのか。それは、つまり「我以外皆我が師」ということからだな、と後になってきづきました。

忙しい、というしょうもない言い訳をつくり、ついつい野菜セットに添えるお手紙の字が乱筆になってしまうことがあります。お世話になった方へのお礼が遅れたりすることがあります。自分は環境にいいことをしているんだ、という傲慢な自負が自分の心の中に全くないかというと、嘘になります。そして、多分そういう思いは、相手の方に伝わってしまいます。

自分の中にある、自分の醜い部分を見たくない、認めたくない、という業が、上記の出来事で、むくむくと顔を出してきたのでしょう。

でも、神様ではないのだから、ある程度は「しょうがない」なあ、と感じたりもします。月並みな言葉ですが、人間ですからね。

一番大切なのは、自分の心の中にある、いいところも悪いところも、認める、ということなのかな、と感じます。自分はあいつみたいに愚かじゃない、という気持ちで凝り固まるのが一番怖いですよね。

そして、改善していけるところは変えていき、変えていけない部分は認め、許し、諦め、笑う。

ひょっとしたら、あの女性も、宛名を書いた方も、そんなことを感じていて、自分のスタイルを貫いているのかな、だとしたら凄いぞ!
などとまた空想です。

そんなわけで、「我以外、皆我が師」なのです。

2007年12月13日 ひとりごと トラックバック:0 コメント:0

文化的生活

師走も中旬を迎えようとしてます。

毎朝、気温は氷点下に下がり、霜もしっかりとおりています。日中も10度に届かない毎日。冬本場間近です。

年の瀬に行うべき諸々の仕事はありますが、畑仕事自体は大体おちつきました。急ぎでやる仕事もさほどありません。

農繁期の間、半日はおろか、2~3時間程度家をあけて遊びにでるのも、気持ちが落ち着かなかったのですが、さすがに最近は適度な余裕があります。

来年の春に向けて、心身共に充電の時期に入ってきました。

昨日の夜から、今日にかけて、なかなか文化的な時間をすごせて満足でした。

昨晩は、熊本市内に、演劇を見にいきました。劇団「青年団」の、「隣にいても一人」という劇でした。

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市民参加のワークショップで、舞台美術を演出・製作するという企画でした。友人がその企画に参加した縁で、見にいきました。面白かった!

車でわずか1時間の熊本市内の中心地に行ったのも、阿蘇生活10ヶ月にしてはじめてのこと。農閑期万歳です!

今日は、こんなところにも行きました。

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阿蘇の北外輪山の麓の某所です。

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友人Nさんが製作した、スチームサウナ小屋です。
薬草やハーブの蒸気でサウナを楽しむという試みです。
今日はその試運転日でした。


山すそでは、桐の木がありました。

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蕾がたくさん。春を待ちわびています。

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昔は、娘が生まれたら桐を植えたものだ、とよく言われます。桐は生長が速いので、娘が嫁ぐ頃には、その桐の木で、桐箪笥を作り、嫁入り道具にした、というのです。

僕にとっては、研修先の農場の豚小屋の周りにたくさん植えてあったという縁で、桐にはなんだか思い出深いものを感じます。

ちょっぴり足を伸ばして阿蘇の高岳の麓へ。

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高岳北尾根のスカイライン。鷲ヶ峰と、虎ヶ峰。
九州のクライマーはここでトレーニングを重ねて、北アルプスや、ヒマラヤに足跡を刻んでいったとのことです。

大岩壁を夢見ながら、このボロボロの小さな岩場でトレーニングを続けた昔の岳人達の熱い吐息が聞こえてきそうな空間です。

クライミングを終えて下山してきたおじちゃん達と立ち話をしていたら、山登りの世界の楽しさをふと思い出し、なんともいえない気分になりました。

なかなか、今の生活ではそのような遊びはできるものではないですが、
今はそれでも満足です。
自分の記憶という箱の中に、厳しい自然と真摯に向き合って遊ぶ楽しさ、という引出しがある。それだけで素敵なことだな、と思います。

なにはともあれ、ぎざぎざした山のスカイラインは、かっこいい!山万歳!

2007年12月09日 日々の暮らし トラックバック:0 コメント:1

やってしまいました

今朝は全国的に冷え込んだようですね。

阿蘇も、寒かったです。
手元の温度計では、マイナス6度、となっていました。今のところ、今年の冬は暖冬ではなさそうですね。

阿蘇は、南国九州ではありますが、標高が比較的高いので、北関東と同じくらいの気温です。僕の住んでいる南阿蘇村で、栃木や群馬の平野部と同じくらいの気温です。

このくらいの気温の地域は、夏も暑いので、夏の暑さ対策を重視したつくりの家がおおいと思います。特に古い家は、顕著だと思います。

北海道や東北だと、断熱材がばっちりはいった家が多く、かつ家の中は暑い位に暖房をたく、とは良く聞きます。

なので、たぶん阿蘇や、栃木や群馬のあたりの冬が、家の中の気温でいうと日本で一番寒いのではないか、などと思うのです。自意識過剰でしょうかね(笑)


何がいいたいのかというと、こういうことです。

家の中の部屋を、ひと部屋「イモ・カボチャ保管部屋」にしてます。
貯蔵穴からだしたあとのサトイモやサツマイモの一時保管、そしてカボチャ・ジャガイモの保管のスペースです。

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古毛布や布団を何重にもかぶせて、寒さを防いでいます。

が、・・・・。

昨晩友人の家に出かけて、朝に帰ってきたらびっくり。

扉開けっ放しだった!

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しかも、カボチャに毛布がちゃんとかかってなかった!

単純なミスです。甘かった。気が抜けてた。自分に腹が立ちました。

多分、部屋の中でもマイナス3度くらいにはなっていたのではないだろうかと・・・。もっと家の断熱がしっかりしていれば楽なのに・・・。でもそんなこと言ってても始まらない。手持ちの条件でやれることやるしかない。

日中、気温が上がりました。朝からずっと冷えたままのカボチャは、じっとりと表皮を湿らせていました。

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なんとかぎりぎり凍ってはないようですが、危なかったです。ぎりぎりセーフといったところでしょうか。
でも、これで少しは腐りが早くなったかもしれない、とも思いました。

出来うる最善のことはやろう、ということで、とりあえず干しました。

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その後に、しっかりと布団の中で保管です。

とりあえず、どんな状況でも、やれることをやることが凄く大切だな、と思います。それがどんない小さなことでも。効果がないかもしれないし、あるかもしれない。でも、やったほうが絶対いい。

あとから、「あの時ああしとけばよかった」と思い返すのだけは、避けたいものです。

「やらない後悔よりやった後悔」とは、生物学者長沼毅氏の言葉。同感です。

いちいち失敗にめげない。どんなときでも、とりあえず、「やらないよりやったほうがいい」ことを、一歩でも一手でもやる。その積み重ね、繰り返しだなあ。と感じます。勉強、勉強ですね。

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年の瀬で、農閑期のはずなのに(苦笑)なんだかやることがつまってます。

意地になってトマトハウスの片づけを完了。

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今日中に終わらせる、と決めたら、何が何でもとにかく終わらせる。そういう割り切りも、時として必要だな、と感じます。その積み重ねもまた、自分に力を与えてくれますよね。そして僕の場合は、自他ともに認めるマゾですので、それが苦痛にならない(笑)得な性格のようです。


2007年12月06日 田畑 トラックバック:0 コメント:0

平和な一日

冬が本格的にやってきましたね。

今日も、最低がマイナス2度。最高が6度。北風の吹く、冬ばれの一日でした。

今日は、出荷が8箱。午前中は慌しく時間が過ぎます。

午後は畑仕事。明日は出荷無しの日。夕方からの収穫や出荷準備もなく、ゆったりと時間が流れます。

ハウスの中の野菜に、ビニールをかぶせました。日中に、蒸れたり暑くなったりしないように注意する必要がありますが、これで、野菜はどんどん育っていくでしょう。

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でも、あったかい場所をみつけて招かざるお客も。

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レタスの株間で遊ぶレオ君。となりに播いたカブはまだ小さく、無残にも踏みつけられたものも・・・。

中に入るな、としかりつけ、放す。また入る。またしかる。
繰り返すこと3回。しつけは最初が肝心だと思って根気負けしないように頑張りました。

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でも、窮猫飼い主を引っかく。彼も必死の抗議です。
ちゃんとわかってくれるかなあ。

居候の友人Tが、レオに優しくせっしてくれるので、うまくフォローしてくれます。どうしても、男独り暮らしに猫一匹では、しかったときのフォローがうまくいかずに、逆にこちらがご機嫌をとりすぎたり、ということも・・・。

Tに感謝です。

トマトハウスの片付け開始です。

写りは例によって悪いですが、片付け前。

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片付け途中。

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最後まで頑張ったトマト。

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この手の仕事は、「今日やっても明日やっても構わない」急がない仕事なので、ついつい後回しになります。でも溜め込むと、いつの間にやら春になって一気に農繁期、となりそうです。先手先手で、どんどんやっつけていきたいものです。

たまには自分の写真。

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こんな感じでやってます。

後ろの山は、何度かご紹介した「夜峰山」です。春の野焼きのための輪地切りの後がくっきりとみえます。野焼きの際には、見えている斜面全体を、焼きあげます。炎が燃え盛る姿が、したからもよく見えます。

地元のおじちゃんは、「焼かんと崩える(崩れる)」といいます。焼くことによって、草の根がしっかり張り、斜面が強くなるそうです。田んぼの畦と同じ理屈ですね。

でも、長い目で見ると、おそらく数十年で勝手に森に還るだろうなあ、とも思うのですが・・・。

自然はヒトが管理するものなのか。守ってあげるものなのか。それはおこがましい考えではないのか。大半の自然保護は結局はヒトのためではないのか。でもそれはいけないことなのか。

おそらく答えはないのでしょう。問い続けることに意味があるのだとも思います。
夜峰山の美しい草原の斜面を見ながら、自問自答の時間が心地よく流れていきます。


2007年12月05日 日々の暮らし トラックバック:0 コメント:0

師走

師走になりました。

今朝、約ひと月ぶりのまとまった雨が降りました。

晩秋から初冬にかけて、ほとんど雨が降らない、というのが近年の西日本、九州での傾向のようです。天気が極端ですね。四季の移ろいのみならず、雨季と乾季、という皮膚感覚も、日本人にとって違和感がないものになってきているのではないか、とさえ感じます。

先週は小春日和が続きましたが、また寒くなってきました。

朝は、完全に野菜が凍ってしまっています。

でも、朝日をあびて葉が生き返り、それを繰り返しているうちに、どんどん美味しくなってきます。ほうれん草やターツァイなどは、寒さにつよいので、これから甘くなってきます。カブも美味しいです。サニーレタスは、これでもかといわんばかりに肉厚になってきました。

もちろん寒さに弱い野菜は、露地のものはそろそろいったん終わりです。春菊やチン菜は、最後のひと粘り、といった感じです。

ハウスの中にあるまだ小さな野菜が大きくなるまで、露地のものが粘ってくれるかどうか。うまくいってほしいものです。

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大豆が収穫間近です。

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畦の竹が畑の中に攻め入ってきてます。地下の茎をごりごりと伸ばしてきて、大豆の畝間に顔を出して伸ばしています。

早く収穫してしまって、耕してしまいたいものです。でも、まずは収穫した大豆を干すための、トマトハウスの片付けをしなくてはなりません。いかんせん日が短く、寒いので、体の動きが鈍くて仕事がすすみません。地主さんに申し訳ないし、見た目も悪い。ちょっとやばいなあ(笑)

大豆は、自家用の味噌づくりのために播きました。なので、世話をやくのもついつい後回し。どうしても、販売用野菜が優先になります。
竹には攻め入られるし、カメムシはつくわで大変。でも、

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綺麗な豆がそこそこ入っています。


お隣のお婆ちゃんが、田んぼのひこばえを収穫していました。

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お婆ちゃんの田んぼは、早く収穫したので、実をつけたひこばえもいくらかあったようです。

「もったいない」「老人のボケ防止にはちょうどよかたい」と、いつもユーモラスなお婆ちゃんのお言葉であります。

ふむふむ。確かにけっこうあるようです。

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我が家のレオ君も、最近はお隣のお爺ちゃんお婆ちゃんにもすっかりなついてきました。お婆ちゃんの周りで、かくれんぼです。

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2007年12月03日 日々の暮らし トラックバック:0 コメント:0

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