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止まり木農園になれたらいいなあ

12月15日(日)


ショック!

1月のブログを書いていたら、間違えて12月に書いたものをけしてしまいました。いろいろ思いを込めて書いたものだったゆえに、ショック!

ただ、幸いにも、宅配のセットに入れているお便りからの転用に加筆したものだったので、今一度転用しておきます。

というわけで、お目通しいただければ幸いでございます。


畑の様子

火山灰があいかわらず降っている南阿蘇です。

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さすがに、葉の上に積もるようだと、光合成ができずに葉っぱもいたみます。

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気温が高すぎて、灰をよける不織布をかければ蒸れてしまい、外すと灰がかかり…。思うようには行きません。灰自体は少々食べてしまっても健康に害はないとのことですが、食感が悪いのでよく洗ってからうちの野菜はお召し上がりください。

でもまあ、天気はよいので全体としては畑の雰囲気もまずまずです。

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人参、ことしも沢山うえました。多くの方に食べてもらえて、嬉しい限りです。

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珍しく植えてみたおしゃれな品種、ロマネスコカリフラワー。美味しいです。

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竹竹竹! 

2年前に購入したものの、忙しくて段取りできずに地震後の傷みもそのままになっており、ようやくこれからリフォーム工事を始める築60年隣の母屋…。

なんと地震の影響でトイレの浄化槽に竹の根っこが入ってきて壊れていることが判明。のびのびになっていた修理の工事の日程が急遽決まり、その前に浄化槽の周りの根っこを重機で全部ほじくり返して、根っこを取り除くことにしましあt。

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とりいそぎ、重機が入れるように、大急ぎで竹を切っては運び出し、切っては運び出す毎日…。

竹の根っこはなんと一年で8mも伸びるそうです。タケノコ採りをちょっと怠っただけで、基礎のブロックの横を這い、隙間から床下に入り込もうとします。気づいたときにはタケノコが畳を突き破って出てくる、なんてことは田舎の空き家ではよく聞く話です。10年近く空き家に近い状態だった母屋では、今のところ間一髪「畳突き破りタケノこ状態」には至ってないですが、かなり危険な状態でした。


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こんな感じでガンガンやりました。ユンボを出してくれたのは、すぐ近所の土木業者さん。79歳の社長さんはまだまだ現役バリバリで、見事なゆんぼさばきで頼もしい限りでした。かくありたいなあ。


それにしても、プラスチックがあまりなかった時代は竹が生活や農業や重宝したのでしょうね。筍もよく食べたのでしょう。今では家のすぐ横に竹林をつくるというのはなかなか聞かない話です。時代の移り変わりを感じます。


wwoof、そして、止まり木農園になれたらいいなあ

この秋、我が家を助けてくれた大きな存在がありました。それは、ウーファーさんのMさんとNちゃんです。

ウーファーさんとは、ウーフをする人、です。何ぞや?ですよね。時々お伝えはしていましたが、改めて紹介してみます。

ウーフとは、「willing worker on organic farm」の略でwwoofです。直訳すると、有機の農場で働きたい人、という意味です。「猫の手も借りたい~。どなたか手伝ってください~」という農場と、「有機農業や田舎暮らし体験してみたいです。」という人を結ぶシステムです。1日6時間作業を手伝う代わりに食事や寝る部屋は提供します、というのが原則。

単なる労働力ではなく、あくまでも体験と交流と援農を、お金を介さずに善意と信頼をベースに見ず知らずの他人同士が行えるというものです。1971年でロンドンで始まり、現在世界51ヶ国で組織的に運営されています。

 椛島農園では、8年間ぼちぼち、ほそぼそウーファーさんの受け入れを続けてきました。これまで70人位の方を受け入れてきました。就農希望の若者や、バカンスとして来たバリバリのサラリーマンの男性や、移住先を探している女性や、夏休み中の台湾の女子大生や、これから大学に入るというアメリカの女の子や、自転車旅行中にぷらりと来た方など…。

本当に素敵な出会いがいっぱいありました。でも、課題が大きかったです。それは、家の中の3畳の一室をゲストルームにして寝泊まりしてもらっていたのですが、やはりそれではお互いの物理的な距離感が近すぎて、場合によっては気疲れの方が大きかったのです。

気疲れしないようにと期間を1週間限定にしていたら、結果として「慣れてきたころにはお別れ」となってしまうことの繰り返しで、「もうウーフのホストをやめようか」と思っていたほどでした。ですが、2年ほど前から母屋をゲストハウスとして(地震後ボロボロになったまんまで・苦笑)使うようになり、別棟で滞在してもらうと、こんなにいい距離感で楽しめるのか、と驚いたのでした。  

そしてこの秋、1か月半の滞在希望が2名重なりました。これは初の出来事でした。いろんな体験をするために大学を休学してやって来た23歳のNちゃんと、旅暮らしをしながらヨガや環境負荷の少ないライフスタイルを学び続けている41歳のMさん。

二組同時に受け入れはできるかなあ、とちょっと思案したのちに、壊れたトイレの代替で庭に即席ボットントイレを作り、壊れた水道を最低限直して簡易水道を庭に作り、共有スペースをはさむようにして客間を二部屋作り、なんとか見ず知らずの二人のウーファーさんが快適にすごせる空間を用意してみました。

お二人の滞在が重なった期間は2週間ほどでしたが、傍から見ていてもその2週間が実に濃く、実り多い時間のようでした。たまたま旅先でであったお二人が、農作業をしながらいろんな話をするようになり、休日は観光にもでかけ、本当に楽しそうでした。

長期の滞在なので、うちの子供たちもすっかり懐いて、農作業のみならず子守や家事も助けてもらい、つくづくいいシステムだなあ、とあらためてウーフという仕組みに感謝したものです。   

旅先のこういう出会いって、いいものですよね。僕もあちこち旅したり居候していた若い時を思い出しました。考えてみると不思議なものです。うちに来られた方の話をよくよく聞いてみると、人生の大きな課題や立ち向かうべきテーマを抱えていらっしゃるという方が来て下さることが多いように思います。これまでそういう機会を頂くことが時々あって、こちらもいろいろな学びをいただいてきました。

「野菜も美味しくできる時もそうじゃない時もありますもんね。人生大変な時も多いしいろいろあるけど、いいことも悪いこともそんなに長くは続かないよね。損も得もないや。みんなぼちぼちやりすごしていきましょうね~。」という感じのテンションの椛島農園の雰囲気がウーフでの自己紹介ページやブログなどでもこぼれているからなのでしょうかね。

それともひょっとしたら人ってたいていの方は、そういう面もお持ちなのでしょうか。そして、その課題に対して、うちで実際に何かをしてさしあげられることがあるわけではありません。でも長い人生の中で、たまたまのご縁でほんの何日かでも何週間かでも何か月かでもうちに来て過ごしてもらって、南阿蘇の美しい自然や、滞在している方同士の交流や、農作業を通して「ま、いろいろあるけど、一歩一歩やっていこう」と静かな心で思えるようなきっかけを提供できるとしたら嬉しいなあ、と思うのです。                        
あえて例えるのであれば、そのような空間は、鳥が一時的にとまる「とまり木」のような場であり農場、といったところでしょうか。

僕が若い時にいろいろ学んだ栃木の農場も、いろんな方が来る農場でした。知的・精神の障害を抱える方のグループホームも併設し、そのメンバーとも一緒にすごしました。

農業を学びに来た若い人たちに交じって「居候」の女の子もいました。彼女は、いろいろな家庭の事情がある中で周りに気を使いながら子供時代を過ごした後に、大学生になって心身が限界を感じたのでしょう、摂食障害を起こして家に引きこもっていたそうです。それでもなんとか勇気をだして親戚の紹介を受けて農場にやってきてリハビリ的に農場の作業を手伝い、さらにはアルバイトにも行けるようになり、今は家にもどり仕事をしています。年も近く、今でも誕生日には野菜を送っている、僕にとっての大事な友人です。

彼女にとって、きっと栃木の農場はとまり木でした。そのようなことがこれからの僕たち夫婦にできるかどうかはわかりませんが、「寝るところも食べるところもある農場空間」を活かして何かができるとしたら、僕らの場合はそういうことなのかなあ、と思ったらちょっとわくわくしました。

また、熊本や南阿蘇という素晴らしい場所に移住したい、関わりたい、という方にとっての、「とりあえず泊まりに来てちょっと農作業のお手伝いをしながら雰囲気を味わったりする場所」でもあれたら面白いです。農業体験や田舎体験という面でも、うちを、とまり木として使ってもらって、その方に合う農家さんを紹介することならいくらでもできます。とまり木のような農場で、健康なお米や野菜や卵を育てて暮らしてゆく。ヒトとヒトとをつないでいきながら暮らしてゆく…。

うん、なかなかいい生活だなあ。そういう農園を作って、「あー、今日も一日よく働いた。いい仕事した。」そう言いながらお風呂に浸かり、9時ごろにはさっさと寝て、日が昇ったら外で働き続ける…。そんなおっちゃんになりたいなあ。

長文お目通しいただいてありがとうございました。


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2019年12月15日 未分類 トラックバック:0 コメント:0

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