森、皇太子殿下

育樹祭、なる催しが隣の阿蘇市で行われました。

過去の植樹祭で昭和天皇が植えられた杉の木の手入れを、皇太子殿下がなさったそうです。

夕方には、我が南阿蘇村にも皇太子殿下が足をお運びになる、ということで、通りはちょっとしたイベントの雰囲気。

山の疲労をとるために、長めの昼寝をとり、さあ畑で間引きをするぞ、という時に・・・。

近所のおばちゃん達がなにやら愉しそうな雰囲気。「皇太子さんを見に行くとたい」とのこと。「あんたもいかんね」の言葉にのり、一緒にお出迎えしちゃいました。

盛り上がる群集。

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まだかまだかと待つ群衆。

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おお、いらっしゃった。殿下のスマイル。沸き立つ群衆。

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殿下の前後の護衛の車の多さ、そして上空のSPのヘリコプター。警備にあたる警察の方の意外なほどの(ごめんなさい!)物腰の柔らかさ。なかなか勉強になりました。

僕は、天皇制の是非等についてはほとんど不勉強なので、とくに意見は持ち合わせていません。

しかし、この、育樹祭、に関してはちょっと意見ありです。

やっぱり依然として漂う、「杉・檜至上主義」の雰囲気。広葉樹や天然林が、環境保全のためにいかに大切かというのはだんだんと浸透してきているとは思うのですが、まだまだだなあ、と感じてしまいます。

人工林が、杉や檜が悪い、とはまったく思いませんが、程度があります。杉だけの山などは、「森林」ではなく、木材生産の畑、という位の(ちょっと極端な)認識が世論で必要なのでは、とも思います。

とにかく、戦後の拡大造林政策は明らかに誤りであり、環境破壊であった、と国が声を高めていってほしい、と思います。

この観点から、(偏った意見かも、という批判を承知のうえで)面白いブログを見つけました。

http://blog.livedoor.jp/rokuten1/



さらに言うならば、林業のみならず、農業も同じです。品目を選んで、農家に「自給のためにちょこちょこといろんな作物を作るのをやめなさい、効率を求めなさい」といってきた国の政策は、腑に落ちません。

効率で外国に勝てるわけがなく、山の多い日本の農地を守るのは、自給的に食料生産をする小規模農家以外にない、と思います。

新規に就農するとき、村の方みんなに聞かれたのは、「で、あんたは何ば作るとね」。

品目をひとつかふたつに絞って、それだけ、作る。となると、連作障害で病気がでます。かたよった虫が発生しやすくなります。農薬がいります。経費がかさみます。人も病気になります。大型機械も必要になります。豊作がすぎると、価格が下がり、出荷の経費やダンボール代もでません。

これでは若い人が農業を継ごう、なんて思いません。もっともっと、農家こそが、自給的な暮らしを楽しまなくては、面白くない。規模の大きさや生産量の効率ではなく、規模の小ささや販売面での効率、を重視する時代だと思います。経済や農協や、通貨の相場に振り回されない暮らしこそが本来の農家の魅力なのでは。とおこがましくも思うのです。

果樹などならともかく、野菜農家は原則的にある程度の数の品目を作るほうが無理がないのでは、とやはり思います。理想は、米も野菜も、あとは自分が食べる分+αの鶏や豚。牛でもいい。庭には果樹。川にはホタル。山には山菜。農作業は忙しく、贅沢は出来ないが、食べる物はあるし、地に足のついた暮らし。そういう暮らしが、できればいいな、と思います。なんてことはない、何十年か前のあたりまえの暮らしです。そして、諸外国でも、すさまじいスピードで失われようとしている暮らしです。

経済や通貨に振り回される、ということから蛇足ですが、特に畜産農家さんは、今非常に苦しいと思います。穀物飼料のほとんどは輸入ですし、バイオエタノールによるトウモロコシの高騰、さらに輸送コストの高騰で、その大変さは容易に想像もつかないほどだと思います。

もちろん農村の現場の方はみな努力されているし、精一杯のことをされているとは思います。僕のまわりの方も、米+牛+野菜、という感じの多品目でがんばっている方も多いです。米+果樹を何種類か、という形でがんばっている方もおられます。

結論。とにかく、閉塞感漂う農村を変えていくのは、国の政策や補助金ではなく、自立の心だ、そしてなにより、「かっこいい」「おいしい」「面白い」というような感性だ。と思っています。

なによりも、農家自身が、暮らしを楽しむ。お金に換算できない、足元に眠っている豊かさを、「思い出す」ことから、農村の未来がひらけていくと思います。どっしりと力のある農村があってこそ初めて、街の豊かさもあるものだ、と思っています。

そして実際に、僕のように町育ちの若い世代の中には、田舎のよさを見直して移り住む人もふえてきているようです。新たな潮流が、大きな波になりますように、と思っております。

ああ、また脱線しまくって、しかも長くなりました。本当に悪い癖です。

皇太子殿下のご縁で、日本の未来をおこがましくも案じてみました。
なんだかちょっとこっぱずかしい(苦笑)

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2007年11月04日 ひとりごと トラックバック:0 コメント:0

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