青空
9月5日(日)
うっすら曇天、蒸し暑い一日でした。
朝のうち、人参の除草。
10時過ぎに家を出て、県主催の新規就農相談会に出かけました。パネルディスカッションのパネラーとして参加いたしました。
忙しい時期であるということと、あまりそういう場は得意ではないということで、お話を頂いたときはあまり乗り気にはなれませんでした。でも、ご担当の方がぜひぜひ、と声をかけてくださったので、お受けしました。昨年の暮れの有機フェスタでお話を聞いてくださってのことだそうです。
去年の暮れは熊本県の有機農業研究会主催のパネルディスカッション、しかも中堅~若手の新規就農者の声を聞くという場でした。今日は、県の主催で、しかも同席の方は新規就農の大先輩おふたりという場です。多数の農業法人の方と、農業法人への就職を希望する方、あるいは独立就農希望の方が見えていました。会場は、とにかく『農業!』『経営!』『施設園芸!』といった感じの雰囲気で、僕のように『自給自足の延長のようなへなちょこ農家』がここにいていいのかな?と感じてしまうほどでした。
時間が来て、各ブースで相談をされていた方が三々五々ステージ前の椅子に集まり、パネルディスカッションが始まりました。案の定、僕はマイクを手にして、ちょっと困ってしまいました。うわっ、何を喋ればいいのか。おもわずうわずってしまい、どうでもよいことを口にしたり、やたらと大げさな表現を多用したり、しどろもどろになっちゃいました。いかん、今日はいかんぞっ。
「有能な人材が欲しい」とおっしゃる同席の大先輩のお言葉を聴きながら、「そうだよなあ、法人としてやっていくには、当然だよなあ」と納得。野菜の栽培にかける熱意や経験も、桁違いなんだろうなあ。僕の「まあ、儲かりはしないけど、潰れもしない農業です」「飢え死にはしません」「なんとかなります」「農業をはじめたのはたまたま。縁。田舎で地に足のついた暮らしをしたかったので、その手段」というあやふやな言葉とは雲泥の差です。同じ壇上にいて、恐縮しきりでした(笑)
なんで僕はこの場に呼ばれたのだろうか、と話の合間に考えてしまいました。そして、出た結論。おそらく、この場に僕のような「ちょっとゆるい」人がいなかったら、場の空気がけっこうシビアなものになっていただろう。確かに現実は厳しい。でも、「こういう農業もありですよ」と言う若手が一人くらいいると、空気の幅が広がるというわけかな。
後で、ご担当の方にお聞きしたら、まさしくそのようなことをおっしゃっておりました。僕の存在価値もちゃんとあったようです。よかったよかった。
たまにこういう場に出ると、初心に戻れます。まあ、いろんな形の生き方、暮らし様、そして農業のスタイルがあり、僕の経験が、もちろんこれから新規就農するかた誰しもの参考になるわけではないです。でも、たとえ100人にひとりでも、「おっ、この人のスタイルは参考になるぞ」と感じてくれればちょっと嬉しいです。僕も、そうやってたまたまのご縁に救われてきたので、まあ、本当に微力ながら恩返し、みたいな感じでしょうかね。でも本当に場に居合わせたか方の100人に一人くらいかもなあ。それじゃあちょっと寂しいかも(笑)
夕方帰宅後は、近所に卵の配達、畑の草燃やし、トラクター掛け。7時には暗くなり、秋の足音を感じてしまいます。久しぶりにちょっと走り、ご飯を食べ、これを書き、あとは少し来週の分の事務仕事を終わらせてから眠りたいなあ。明日は白菜やキャベツの定植をがんがんやる予定。明後日からようやく雨のようなので、ちょっとキアイモードです。
そんなこんなで、まあ、欲張りな一日でした。明らかにすこしテンション高いな。プチ躁かな。反動が怖いぞ~(笑)。気をつけようっと。
最後に。
朝焼け。
と、その直後の青空。秋を感じさせる雲。
暑いながらも、確実に、地球は公転を続けているようです。何があっても確実に続く、四季という地球の営み。そこに、少しの焦りと、ほどよい安心感を覚えます。
今日も、明日も、明後日も、僕らの星は、まわり続けているんだなあ。
僕らの体も、地球と一緒に、回っているんだなあ。