ダラダラツレヅレ考えてみる

9月4日(日)

台風は、こちらではたいしした被害もなく、ほどよい雨となりました。たくさん降った地域の方のご苦労を思えばさすがに申し訳なく、なんともいえない気持ちになります。しかしながら、こちらでは、畑もだいぶ乾いていたので、恵みの雨でした。

今日も、台風一過で晴れるかと思いきや、すっきりしない天気。畑の土もまだじゅっくり湿っていてあまり中に入らないほうがよさそうだったので、本当に久しぶりに街の映画館に行ってみました。ネイチャードキュメンタリーの「LIFE」を見ました。いやー、面白かったです。どうしたらこんな映像が写せるのか、と驚きでした。ただ、どうしてもこの手のナレーションだと説教臭くなってしまうということと、映画ポスターの「地球制覇」という字面に嫌悪感を覚えてしまったので、80点といったところ。惜しい…。まあ、椛島にどれだけの点数をつうけてもらおうともらうまいと、BBCや配給会社としては痛くも痒くもないのは確かではありますね。


さて。

先日、隣の婆ちゃんが亡くなりました。92歳でした。お通夜、お葬式と、バタバタと過ぎてゆきました。

阿蘇に移ってきた最初の年、婆ちゃんにはいつも助けてもらってばかりでした。もともと世話好きの婆ちゃんにとって、隣の家に一人で田舎に移り住んできて農業を始めた30歳の青年は、孫のように見えたのだろうと思います。

畑から帰ると、週に4日か5日位は、何かしらご飯やおかずが玄関においてありました。暑い夏には紫蘇ジュースを作ってくれました。正月に顔をみせると、ちゃんと僕の分のおせちやお雑煮が用意されてありました。甘い物好きの婆ちゃんの料理は、味付けも甘め。最初は、ん~、と思ったことも。でも、慣れてくると、やみつきになる美味しさでした。あのお煮しめの味がもう味わえないと思うと、寂しいです。

婆ちゃんは、とにかく元気でした。当時、婆ちゃんは熱帯魚用の水草を栽培して出荷していました。70歳を過ぎてからはじめたという仕事。90歳近くになるまで、現役として現金を稼いでいました。「昔はたいがい苦労した。今が一番幸せ。孫やひ孫に小遣いをやらにゃいかんもんだけん、かせがにゃいかんたい。はっはっはっ。」あの笑い声をもう聞くことができないかと思うと、切ないです。

最初に迎えた冬の終わりごろ、婆ちゃんは倒れました。めまいと吐き気を感じて、夜中に救急車で隣町の病院に運ばれました。必死でリハビリのおかげで、戻ってくることができました。でも、以前ほどには体が動かなくなりました。

体のあちこちが痛んだことでしょう。それでも、花を植えている畑の草を一生懸命抜いている姿がありました。ある朝、婆ちゃんと話をしていたら、こんな言葉が。「まあ、いのちにご縁があれば、もうちょっとは生きるたい。ご縁がなければ、それまで。こんだけ子供たちから面倒かけてもらっとるとだけん、もう一度くらいは元気な体にもどらんと申し訳なかたい。あと1年くらいは生きんとなあ。はっはっはっ。」思えば、あれは1年くらい前だったように思えます。生きるということと、死ぬということに対する謙虚な姿勢に、つくづく頭が下がる思いでした。あの笑顔をもう見られないかと思うと、やるせないです。

でもなあ、人は生まれてきたからには死ななくちゃいけません。こればっかしは、しょうがないです。

婆ちゃん、今まで、ありがとうございました。

婆ちゃんからしてもらったことは、直接的にはなかなかきちんとはお返しできなかったかもしれないけど、これから先、もしできることならば、婆ちゃんが僕にしてくれたように、どこかのだれかに何かをしてさしあげることにします。

そういうことが、回りまわって、お互いに助けられていく。それで、いいんじゃないかな。

霊魂の存在だとか、輪廻転生だとか、そういうことは実感としてはよく分からないのですが、なんとなく、否定できるものでもないし、婆ちゃんの霊魂がどこかで見守ってくれているのかな、と思うとちょっと心強くあります。非科学的だけど、人間の脳がそう認識して安心感を得られるのであれば、それは実在するに等しいのかもしれないし、それで現実の生活が豊かに色づくのであれば、それはそれでいいのかもしれないです。

少なくとも物質としては、死は終わりではなく、循環と再生の途上にしか過ぎないし、個体としての生は終わりだとしても、いのち(あるいは遺伝子?)は三十億年も脈々とつながり続けているのであり…。

なんてことも、ダラダラツレヅレと考えてみたり…。

とにかく、婆ちゃん、ありがとうございました。


人は、生まれて、食べて、寝て、いのちをつなぎ、死ぬ。それで、いいのだろう。難しく考えることは、ないのかもしれないなあ。




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2011年09月03日 日々の暮らし トラックバック:0 コメント:0

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