鳥インフルエンザ

4月13日(日)

さきほど、普通の更新をすませたところで、気になるニュースが耳に入ってきたので、もう一筆。



鳥インフルエンザが、熊本県内の養鶏場で発生しました。

ご心配くださっている遠方の皆様にご説明申し上げます。

養鶏場のある多良木町と、南阿蘇村はおよそ80キロほど離れており、今のところ、直接の影響は全くありません。卵を食べてくださっている皆様には、安心して普段どおりに食べてくださって問題ありません。

こういう文章を書くと、必ず批判をいただきますが、勉強不足を自覚しつつも、現時点での椛島農園としての考え方を申し上げておきます。

鳥インフルエンザウイルスが存在すること自体は、自然なことだと思います。自然界には、いろいろなウイルスが存在します。いろいろな菌も存在します。野生の鴨が、鳥インフルエンザの陽性であるからといって、鴨が全滅するわけではありません。たとえパンデミックのような状況になったとしても、生き残った個体がまた子孫を残し、種が絶滅するということはありません。絶妙な生態系のバランスの中で互いに生かされていく。それが、自然というものです。

現在の世界の養鶏場のほとんどは、産卵鶏の場合、いわゆるゲージ飼です。そして、外の空気が入ることの少ない、ウィンドレスの鶏舎です。肉用のブロイラーの場合も、満員電車の中のような環境で肥育し、出荷されていきます。当然、ぎゅうぎゅうの鶏舎では、病気が出やすく、それゆえにえさに抗生物質を混ぜたりする必要も生じます。

いわば、ウイルスに対する抵抗力が強くないと思われます。もちろん、需要があっての供給です。消費者が安価な肉を望んでいるからこそ、産業として成り立っているのが現在の畜産です。誰も、悪くはありません。目の前の生活というものがあります。うちでも、自分のところで鶏をまとめてつぶす時期以外は鶏肉も買います。巨大なシステムの恩恵にお世話になって暮らしています。

平飼養鶏の世界では、野鳥との接触こそ金網張りの鶏舎なのでないものの、土の上を歩き回れる環境で、強い鶏を飼育しています。生まれたその日から、丸のままの玄米や硬いイネ科の雑草をパクパク食べ、環境に適応した個体しか生存していけません。

うちのハウス鶏舎の気温は、夏は33度、冬は時にはマイナス10度近くになります。野鳥が体験しているのと同じような気温の変化や風や湿度の変化を感じながら暮らしています。正直なところ、ごくたまに、体調をこじらせて亡くなる鶏もいます。でもそれは、自然なことです。人間は生を前提として生きていますが、野鳥は死を前提として生きています。

いろんな菌がいるのが当たり前。その中の、いわゆる病原菌と呼ばれるものにたいしても、陽性であっても発症しない生命力と免疫力を持つ。そんな畜産でありたいと思うのです。

あくまでも、畜産は、自然の道理からあまり外れない範囲で行うべきだと考えています。今の日本の畜産は、輸入の飼料なくしては成り立たないのが現状です。どうしても、採算を取るために、何万羽単位で鶏を飼わなくてはいけなくなります。とうもろこしを買うための、円相場に一喜一憂しなくてはなりません。

そうではなく、理想としては、地域で、自分で、作ることの出来る飼料のみで畜産を行えればよいなあ、と思います。それが経済的に、労働力的に無理であれば、なるべく近く(県内や、九州内)から仕入れることのできる飼料で、飼育できたらよいです。

今回の鶏の処分には、胸が痛みます。鳥インフルがなくても、60日でお肉となる運命のブロイラーさんたちなので、正直なところ、こういう時にだけ「かわいそう」という言葉を用いるのは、やめておきます。なんというか、人間の業といういものが、悲しいです。

とにかく、おこってしまったものは仕方がありません。規模は全く違えど、同じ畜産業界の者として、一刻も早く自体が落ち着くように祈っております。そして、すばやい対応に尽力しておられる県の皆様、本当にありがとうございます。

そして、椛島農園としては、最悪のケースとして、近くの養鶏場で陽性反応が出て、出荷禁止になった場合は、一時的に養鶏をお休みしようかと考えています。なにせ、100羽ほどしかいません。また、鳥インフルエンザの流行がおさまったら、飼いはじめればよいのです。野菜や稲作と平行して行っている平飼養鶏ですから、経済的にもまあなんとかなります。

もちろん、椛島家では、法や社会倫理的に許されるのであれば、近くで陽性の鳥が出たとしても変わりなく、自家用の鶏は飼い続けます。卵や肉を食べます。加熱調理すれば、人間が食べる分には陽性の鳥でも全く問題がないそうですから。

繰り返しになりますが、事態がいち早く収束に向かうように、そして、関係者や今回の養鶏場の方々への影響がなるべく小さなものとなるように、願っております。まとまりのない文章になってすみません。ご覧下さり、感謝です。

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2014年04月13日 にわとり トラックバック:0 コメント:0

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