息抜き旅行

7月6日(日)

ひとつ、つまらない話を。久しぶりに、長いっす。特に中身のない内容です。思い出備忘録的に書いておりますので。お暇な方のみご覧下さいませ(笑)



別府。いわずと知れた日本有数の温泉の街。ここ数ヶ月、息つく暇もなく働き続けてきたので、一泊の息抜き家族旅行にでもいこうか、よし、別府に行こう、ということになりました。たまにはいいよね、どうせ雨ばっかりで畑作業はほとんどできないし。と、自分に言い聞かせ、計画を練ります。

ほとんど泊りがけで家をあけることのない我が家ではあります。泊まるとしても、農場見学などを兼ねての友人知人宅というケースばかり。でも今回のテーマは「とにかく息抜き、リフレッシュ」。珍しく、お金を払って宿に泊まることにしました。

お宿選びも、新婚旅行以来2年半ぶりのことなので大仕事。海の幸が食べたい、とか、子供連れでも大丈夫なのかとか、お値段はどうなんだろとか、ネットで調べてから、とある宿に予約をしました。

水曜日、出荷作業と急ぎのこまごました作業を済ませ、午後3時過ぎくらいに出発。当日の朝までのりこは胃腸風邪をこじらせて青白い顔をし、春人もいまひとつ体調がよくないようで、機嫌が悪い様子。それでも「行かないでもキャンセル料がかかるなんて、あほらしい。」「なかなかない機会だし、行かない後悔より、行った後悔!」と覚悟を決めて家を出る頃には二人の体調も戻っていました。

竹田経由で近道をしようとして道を間違えて、運転すること結局3時間。日が暮れる少し前に到着。

どんよりとした梅雨雲。平日の黄昏どき、道行く人々もまばら。そんなしめっぽい雰囲気などどこ吹くものよ。久しぶりのプチ贅沢旅行。なにせ宿の看板には「御料理の宿○○」とあります。ネットにも「小さな民宿。もちろんアメニティーは値段相応それなりのものだけど、おかみの人柄と、とにかく料理がすばらしい」と書かれています。杉乃井ホテルのバイキングにも心惹かれましたが有機農家がそれじゃ行かんぞと思い(笑)、家族経営の、小さくともステキな宿を応援するんだ、と選びました。期待に胸を膨らませて、がらがらと引き戸を開けます。

「いらっしゃい」と、奥から声が聞こえてきます。パタパタとスリッパの音を鳴らせておかみさんがやってきました。挨拶もそこそこに、「はい、じゃあ、まずはお支払いを先にいいですか」とおかみさん。そして財布を手にしてお金を出していると、奥から「あっ」という声。振り返ると、ショッキングピンクのブリーフひとつで風呂から上がってきた中年男性の姿。「ああすみませんねえ、お仕事で長く泊まっている方で」というおかみさん。目の前の階段を、ショッキングピンクのお尻がムチムチあがってゆきます。

部屋に案内されました。部屋は、6畳間で、ビニール畳。トイレや洗面所は共用。どうも、案内にあった「民宿」というよりかは「ビジネスホテル」や「学生向けの合宿宿」といった感じの作り。部屋のちょうど真向かいがトイレで、昔東京に暮らしていた頃に住んでいた4畳半の風呂無し共同便所のアパートを思い出してしまう造りです。

テレビの前には、小さな貼り紙。「布団の上では飲食は絶対しないで下さい。ぬらしたり汚したりした場合にはクリーニング代5000円頂きます」と。同じものが、トイレの、トイレットペーパー入れにも貼ってあり、なんだかなあ・・・。

ん、うちらちょっと宿選び間違ったかね?と話す僕とのりこ。

いやいや、ご飯はすごいはず。なにせ、「御食事のお宿」だ!。声がかかり、食事の部屋へ。部屋は2階。食事は1階。階段が珍しい春人は、大喜び。僕の手を握り、よいしょよいしょと一段ずつ自分の足で降りていきます。

すると、階段の踊り場で、階下にいるおかみさんから声がかかりました。「気をつけてくださいね。ほんとに、ね。」

親としては「あら、がんばってるね。かわいい」といった感じの言葉をつい期待してしまうものです。いや、それは親ばかだなあとは自覚しているものの、これまた、ん、という感じ。

そして、肝心のご飯はというと・・・。いまひとつでした。温泉大好きなで、別府に何回か来たことがあるのりこも、「今までとまったところと比べると、やっぱりかなり見劣りするわ」と。多くを語るのはここでは割愛します。そして、最後に運ばれてきた豚汁を運んできたおかみさんからまた一言。「熱いですからね。気をつけてね。お子さん。ほんとに。」ん。また、こんな感じかあ。

温泉のお湯はすばらしく、家族湯でゆったりとできました。が、結局その晩は春人が部屋の備品を壊さないかどうかが気になり、いつも以上に目が離せなくなり、なんだかとても疲れてしまう羽目に。

そしてご飯があまりすすまなかったからか、後から「腹減った」とわめく春人。となりの部屋のお客さんにも迷惑がかかるし、とりあえずパンでも与えてみよう、と宿のはす向かいのコンビに。食べ物でご機嫌をとるダメ親炸裂。店に入ってみたものの、パンもなく、代わりにクラッカーを購入。その結果、ぽりぽりクラッカーの食いかすを散乱させて部屋を歩き回る息子。ああ、よりによってこの宿で。うーん・・・。

寝床に入り、息子を寝かしつけた後に、夫婦ミーティングが始まりました。「やっぱり、1歳5ヶ月児をつれて、こういう宿に泊まるって、疲れるね。やっぱり無理な企画だったかな。」「この宿代で、今日の出荷の打ち上げに近いくらいのお金がかかってしうのか。はぁ~~~」「往復5時間も6時間もかかるんだったら、その時間かけて気合をいれて家を片付けて、美味しい海の幸でも買ってきて食べたほうがリフレッシュになるんじゃない」「片づけか。うちらダメだしなあ~」などなど。蒸し暑さもあり、すっきりしない夜でした。

そして翌朝。やっぱりいまひとつな朝食のあと、この旅のハイライトを迎えたのです。この宿には「猫部屋」なるものがあり、15匹の猫が飼われています。希望する方には猫部屋で猫を楽しむこともできる、とネットにも書いてあります。猫好きの僕としては、「それはぜひ」と、猫部屋タイムを予約していたのです。

プルプルプル。部屋の電話が鳴りました。「はい、じゃあそろそろ猫見ましょう!」というおかみさんの声。テンション下がりまくりに拍車がかかります。「見ましょう!」って、何だか言葉足らずだよなあ、接客業としてはもうちょっと違う表現の仕方はあると思うんだが」と、妙に重箱の隅をつつくようにおかみさんの言動が気になってしまいます。日本的な「おもてなし」や過剰なサービスはどちらかというと嫌いな僕なのですが、今日はどういうことか。表には出さないものの、上から目線で宿の評価をしている自分にもまた辟易し、ますますテンションが下がります。自分は何様だ、と。

ああ、もう猫なんてどうでもいいや。きっとおかみさんも、子供連れのお客さんを泊めて過去にいやな目にあったんだろうな。きっとそうに違いない。はたまた今日はたまたま機嫌が悪いのかな。今回はいい勉強になった。まあ、自分もきっと無意識のうちに誰かをなんとなくいやな気分にしてしまっていることもあるのだろう。

さっさと、別の温泉にでも入って、地元の有名な回転寿司でも食べて帰ろうっと。明日の出荷の用意をしよう。そんな気分になっていたのですが、一応、案内されるがままに猫部屋の中に足を踏み入れてみました。

おお!!!!

6畳ほどの部屋に、確かに、猫が、わんさかいました。そして、部屋も、猫も、実に、きれいでした。皆毛づやがよく、落ち着いた表情を見せています。各々の寝床、トイレ、ご飯皿があり、狭い空間の中にも、さほどストレスなく縄張りのすみわけができているように見えます。

むむっ、やるな!!

にわかに、テンションがあがってきました。おかみさんの話を聞いてみたいぞ。そう、知的好奇心が湧き上がります。

以下、おかみさんの話をまとめるとこんな感じです。

捨て猫の面倒を見ているうちに、だんだん数が増えてきてこうなってしまった。もともと1匹しか飼ってなく、そんなに猫好きというわけでもないのに不思議なものでねえ。6匹目までは大丈夫だったんだけど、今は猫アレルギーになってしまって、毛をブラッシングするのも大変なのよ。

確かに。ブラッシングではなく、おかみさんは、いわゆるコロコロで、猫の体をなでている。その最中の猫達のなんと幸せそうな表情・・・。

そう、コロコロ代も馬鹿にならないけんねえ。うちは、箱で買うんよ。えさ代もすごいけんねえ。あと、病院代。これだけ飼っちょると、風邪なんかもすぐうつるけん、ちょっとおかしいな、と思うたら他の部屋にうつすんよ。そして、病院すぐに連れてくもんね。そしたらなあ、注射代がかかるんよ。5キロ以下だと一本4000円やけど、5キロより大きいと、8000円やもん。たまらんわ~。

たしかに。家の中にいて、運動量が少ないのであろう。みな、かなりよい体格をしている。そして、毛づやはよい。一日3回はコロコロしてあげるそうで、そのつどおかみさんは服を着替えるそうだ。お宿という場所なので、衛生管理にはしっかり気を使っているそうだ。

ここからが心髄。猫達は、オスが7匹、メスが8匹いるらしい。面白いことに、みんな避妊去勢をしているのだけれども、見事に、カップリングが行われているとのこと。寝床のダンボールに、2匹で仲良く過ごし、それが何年もずーっと続いていくのだそうだ。風邪を引いて別部屋に行く際も、カップル単位で連れて行くこともあるそうだ。一夫多妻であぶれオスがいる、ということではなく、基本的には一夫一妻のカップリングというのが、ほほえましい。

一組だけ、一匹のオスに二匹のメス、というカップルがあるらしい。二匹のメスは姉妹で、ダンボール寝床に、いつも3匹で寝ているのだとか。ダンボールが棚から落ちて横向きに床に落ちてしまった時、一番下にオス、その上にメスが二匹、いうなれば雪だるまが3段あるような感じで縦にくっついて寝ていたのだと。いやー、これまたほほえましい。

さらに。

この子たちはなあ、みんな生後2週間とかその位で宿の前に捨てられてくるんよ。別府は野良猫が多いし、いかんわなあ。飼うんやったらちゃんと飼わんとなあ。でも、かわいそうやけん、仕方無しに面倒見てたらこうなってしまってなあ。ん、子育てはどうするのかと?それが、すごいんやわ。母親役の猫がおるんよ。

おっぱいも出ないのに、どうやって育てるんかと思ってみとったら、自分の食べたもんを、やわらかくして吐き出してから離乳食としてあげとるんよ。もう、ほんとに、あれにはびっくりしたわ。

だけん、お客さん来たときなんかも、あの子(母親役の猫)が心開いてすりすりしとったら、他の子もみんな落ち着くんよ。もう、そりゃあ、見事なもんよ。あ、今日は風邪引いて別部屋にいっとるんやけどね。あと、この子(母親役の猫のパートナーオス)もさすがなもんでねえ。落ちついとるし、人なつっこいんよね。

春人が、いつも家でレオやしょうにやっているように、なでなでして、猫まくらをしようとする。頭をのせられた猫ちゃんはたいしたもので、動じず、春人を受け入れている。



おかみさんにお礼をいい、猫部屋を後にする。お茶をすすりながら、しばし余韻に浸る。いや、これは、すごい。なかなか聞けない話を聞けた。面白かった。可愛かった。いやー、すごい。

おかみさんや宿への不満が吹き飛ぶくらいに、猫に圧倒されてしまった我々なのであった。

お茶のおかわりをし、一仕事終えた後のような心地よさを感じていると、部屋の扉をノックする音。コン、コン。扉を開けると、おかみさんと、猫が一匹。

「お母さん猫連れてきたよ」。おかみさんは、僕達が興味津々で話を聞いていたのが嬉しかったのか、話にあがった母親役の猫をわざわざ見せにきてくれたのであった。




というわけで、個性的なお宿でした。面白かったです。

のりこが帰りの車でつぶやいていました。「あの、おかみさんの猫にむける愛情やエネルギーを、もうちょっとだけでもお客さんに回せるといいのいねえ」

確かに。おかみさんはぶっきらぼうで、あまり接客業にむいている感じではありませんでした。なんというか、裏表がないような方、という印象を受けました。接客業者としては、損をされることもあるのかもしれません。その代わり、長い付き合いをしていくにはお互いに楽、というタイプの方なのでしょう。そういう方って、いますよね。性格に損も得もないのだろうなあ。

はい、そういうわけで、知的好奇心がおおいに満たされた旅となりました。結果オーライ、といったところですね。

が・・・、


やまなみハイウェイを通り、2時間ちょっとで意気揚々と帰宅。お昼前後に猛烈な雨がふったようでした。留守を預かってくれたユースケさんと話をし、ほっと一息ついていたら、

隣の畑の方がやってきて「降ったなー。だいぶ畦がやられたな。モグラの穴から水がもれとったけん、踏んで穴うめとったからね」と。ん、何事ぞ!?

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確かに!この畦は、以前は竹に覆われていたところです。毎年刈り続けて竹は無くなったのですが、一度竹の根っこで畦が覆われてしまうと、刈り取った後に残った根っこが腐れて土がズブズブになります。そこに、里芋の貯蔵穴を掘ったり、モグラがきたりで、なんとなく怪しい雰囲気になっていたのでした。

崩れはしなかったものの、崩れる寸前、といったところもありました。あぶなかった。足で踏みまくり、スコップでバンバンたたきまくり、なんとなくでこぼこがないようにして応急措置。いやはや、疲れた。結局明るいうちは畦処理に時間をとられてしまい、翌日の出荷の用意はヘッドランプをつけての残業。とほほ。

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結局、どちらかというと結果的に疲労回復というよりかは疲労蓄積の旅行となってしまいました。どうにもこうにも体が重い。よくよく考えてみると、農作業以外にまったく体を動かしていません。田舎暮らしって、全くもって車社会だし、本当に歩きません。農家だって例外ではありません。そう、この体の重さは「運動不足だ」と思い立ち、村のグランドに行っていろいろトレーニングしてきました。走って、スクワットして、腹筋して、腕立て伏せして。ああ、気持ちよかった。

というわけで今日は心地よい筋肉痛。明後日くらいから、体が軽くなることでしょう。台風で大雨がきて、いつ消防団で呼び出されてもいいようにしておこうっと。いやはや、息抜きも楽ではありませんねえ。長文ご覧くださり、ありがとうございました~。










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2014年07月06日 日々の暮らし トラックバック:0 コメント:0

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